令和6年 能登半島地震における児童館等支援活動レポート4

災害支援

令和6年 能登半島地震における児童館等支援活動レポート4

令和6年11月19日

令和6年能登半島地震児童館等支援募金へのご協力、誠にありがとうございます。財団では皆様からの募金により、被災地の児童館等のこどもの居場所への支援を行っています。

震災発生から11か月が経過しました。9月の令和6年奥能登豪雨も含め、現在まで、被災地域の自治体及び児童館等からの要請を受け行った支援活動を報告します。

なお、人的支援、物的支援の一部にこども家庭庁 NPO等と連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業(被災したこどもの居場所づくり支援)を使用しています。


▶人的支援


七尾市 放課後児童クラブへの専門スタッフ派遣

【令和6年1月31日(水)~3月1日(金)・5月21日(火)~6月20日(木)】

七尾市役所より、放課後児童クラブ再開にあたり放課後児童支援員も被災している状況から、当面必要な職員の確保が難しい状況があり、専門スタッフ(有資格者)派遣の要請がありました。全国の児童館等から有資格者の支援ボランティアを公募し、保育士、教員免許、社会福祉士、認定児童厚生員資格等の有資格者8名を派遣しました。131日(水)から31日(金)まで、1名ずつが高階放課後児童クラブにて専門職としてのスキルを生かした子どもの居場所づくりのサポートを行いました。

また、七尾市より必要な職員の確保が難しい状況が生じたことから再度、派遣要請があり支援ボランティアを募集令和6年5月21日(火)~620日(木)の日程で週3日、それぞれ2名のボランティアが継続して高階放課後児童クラブの支援を行いました。

合計で36日間、22名のボランティアが支援に入り、ボランティアスタッフからは屋外で身体を動かす遊びを欲している子どもが多いという報告がありました。また、当該放課後児童クラブ支援員からは、全国の児童館職員のスキルから学ぶことが非常に多かったと感想をいただいています。

【主催】一般財団法人児童健全育成推進財団全国児童厚生員研究協議会

【協力】全国児童館連絡協議会/石川県児童館連絡協議会ほか

【連携機関】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

   


「じどうかん あそびのマルシェinななお」の開催

【令和6年3月23日(土)・24日(日)】 来場者228名

県立大型児童館 いしかわ子ども交流センター七尾館は震災により水道管破裂、建物・備品破損等の被害を受け、一か月休館していましたが、2月1日(木)より損壊したホールを除き、安全を考慮しながら限定的に再開しました。

全国の児童館等から遊びの提供を行う支援ボランティアを募集、20名のボランティアとともに今後の七尾館への利用促進、遊びを通じた子どもの心理的ケアを目的とし、全国の児童館から遊びのプログラムを持ち寄り「じどうかん あそびのマルシェinななお」を開催しました。

2日間で親子228名の来場があり、工作、運動遊び、伝承遊び、リズム遊び、駄菓子屋体験など様々な遊びを体験していただきました。

保護者からは「普段は避難所生活で、静かにしないといけなかった。子どもが思いっきり走る姿を久しぶりに見られて親としてもうれしい」という声が聞かれました。

主催:いしかわ子ども交流センター七尾館一般財団法人児童健全育成推進財団全国児童厚生員研究協議会

連携・協力:七尾市マテル・インターナショナル/全国児童館連絡協議会/石川県児童館連絡協議会/こくみん共済セブン銀行

   

【報道】

被災した子どもたちに遊びの場を提供 七尾市で開催 2024.03.23 NHK

騒いでも走ってもOK 七尾に子どもの遊び場 2024.03.24 中日新聞


珠洲市「春休み1日保育」への専門スタッフ派遣

【令和6年323日(金)~44日(木)】

石川県珠洲市内にある小学校では、震災の影響により地域支援員が放課後子供教室と一日保育の運営にあたることが困難な状況になりました。そのため、珠洲市では春休み期間中に市内1か所に集約して一日保育を実施することとなり、3月上旬にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通じて教育委員会から専門スタッフによる支援要請があり、珠洲市春休み一日保育のサポートを行うこととなりました。

全国の児童館等から支援ボランティアを公募し、9名の支援スタッフを1日2名ずつ派遣。

ラポルトすずの市民サロンにおいて小学生3050名程度を地域支援員とともに、安全の考慮しながらこどもたちに直接的に関わり、遊び・話し相手・相談等を行いました。

【主催】一般財団法人児童健全育成推進財団全国児童厚生員研究協議会

【協力】全国児童館連絡協議会/石川県児童館連絡協議会ほか

【連携機関】公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

【報道】支援員が足りない 能登の「放課後子ども教室」避難所から通う人も 2024.04.20 朝日新聞

  


物的支援


県立大型児童館いしかわ子ども交流センター七尾館への物品寄贈

水道管破裂、建物・備品破損などの被害を受け、長期休館となっていた七尾館の再開にあたり必要となる物品を聞き取り、寄贈しました。

寄贈品:冷水器、プロジェクター、洗濯機、子ども用木製テーブル、絵本、児童図書等。

  


輪島市児童センターへの物品寄贈

避難所になっていたため、長らく臨時休館していた輪島市児童センターが6月1日から再開することとなり、必要となる物品を聞き取り、寄贈しました。【令和6年3月】

寄贈品:文房具、玩具等。


輪島市内の放課後児童クラブへの物品寄贈

輪島市、輪島市社会福祉協議会との連携のもと、市内13カ所の放課後児童クラブ再開にあたり必要となる物品を聞き取り、寄贈しました。【令和6年3月】

寄贈品:子どもや職員の災害用ヘルメット、文房具、玩具等。

  

また、令和6年奥能登豪雨により休所した放課後児童クラブ再開にあたり、必要な玩具を聞き取り、マテル・インターナショナル社へ玩具寄贈のコーディネートを行いました。【令和6年10月】

  


能登町こどもみらいセンターへの物品寄贈

 51日の一般来館再開にあたり、必要となる物品を聞き取り、寄贈しました。

  寄贈品:文房具、玩具、お菓子等。【令和6年4月】

  


能登町まつなみキッズセンターへの物品寄贈

 児童館運営のため必要となる物品を寄贈しました。

  寄贈品:こども用ビブズセット 【令和6年10月】


▶その他の支援


いしかわ子ども交流センター七尾館・むすび座人形劇公演

【令和6年6月22日(土)】来場者77名

むずび座公演募集チラシ

「集会場の使用がかなわず、玄関ホールでの変則的な会場設定となりましたが、劇団 スタッフ様に工夫を凝らして頂き、観客の皆様には不都合なく劇を鑑賞して頂くことができました。演目は2つありましたが、いずれも言葉のリズムが耳に心地よく残り、かわいらしく個性的な人形達も相まって、最前列の幼児さん達は、前のめりになって食い入るように劇に引き込まれている様子が印象的でした。今日の楽しい上演で、能登 の子どもたちは地震のつらい思い出をひとときでも忘れ、また前を向く元気を頂くこと ができたと思います。」 七尾館より

  

【報道】えっ! この動きどうなってるの? 七尾で人形劇 子どもら歓声 2024.06.24 中日新聞


志賀町児童館・むすび座人形劇公演

【令和6年7月6日(土)】来場者120名

「当日は梅雨晴れの暑い日にもかかわらず志賀町や羽咋市から120名を超える来館者があり、中には輪島市から避難された家族や親子3世代で見に来られた方もいて、大盛況のなか実施できました。今、志賀町児童館は『子どもの心の復興と笑顔』を合言葉に震災を経験した子どもに震災前と同様に不安がない日常を笑顔で過ごしてもらう様努めています。今回の人形劇もその一環として公演をしていただきました。子どもたちの笑い声と歓声がいっぱいのとっても楽しい時間を持てたことで、次のステップに踏み出す力になったと思います。」 志賀町児童館より

 


金沢市浅野町児童館のこどもたちによる「能登応援カフェ 焼き芋とハロウィンカフェで盛り上がろう」への支援

【令和6年11月2日(土)】来場者19名 開催場所 能登町まつなみキッズセンター

金沢市浅野町児童館で活動を行うこどもたちの企画による、能登町のこどもたちとの交流事業に支援を行いました。

 


石川県児童館連絡協議会等へ児童館等活動支援金を配分

石川県児連を通じて、金沢市児童館職員ボランティアによる輪島市児童センターの再開イベント「金沢からあそび隊がやってきた!」等に活用されました。

輪島市児童センター活動報告書(石川県児童館連絡協議会)

   


いしかわ子ども交流センター七尾館へ児童館等活動支援金を配分

児童館運営上必要となる玩具等の購入に活用されました。


健全育成セミナー 

「災害時におけるこどもの居場所づくり~令和6年能登半島地震から~」の開催

【令和6年5月31日(金)】 参加者107名

災害時における児童館の役割を、能登半島地震の事例から学び、広く支援を呼びかけることを目的として開催しました。 

 ・「行政説明」こども家庭庁 成育局 成育環境課長 山口正行氏

 ・「令和6年能登半島地震と児童館の状況の報告」児童健全育成推進財団

 ・「被災地における公的機関・児童センターの役割について~令和6年能登半島地震を経験して~」

      輪島市 健康福祉部子育て健康課 指導保育士 平野  弘美 氏

  (発災時の輪島市児童センター長)【オンライン中継】

  


全国の児童館の相互支援に関する協定書を締結 

全国児童館連絡協議会と一般財団法人児童健全育成推進財団は、大規模災害が発生した際、被災地域の児童館等においてより迅速かつ円滑に子ども及び保護者の支援活動を行うため、「大規模災害時児童館等活動支援に関する協定書」を202471日(月)に締結しました。

pressrelease 大規模災害時の被災地域の子ども支援を強化 全国の児童館の相互支援に関する協定書を締結 2024.07.01

メディア掲載

大規模災害時の児童館支援で協定 能登半島地震などの経験踏まえ 【教育新聞 2024.07.02】


震災発生当初より避難所になっていた輪島市児童センターは、6月1日に再開、10月の令和6年奥能登豪雨により再度の休館を余儀なくされましたが、現在は再開しています。

同じく輪島市内にあるもんぜん児童館は住民の入浴支援の施設として利用されており、再開は未定です。

引き続き、現地のニーズを聞き取りながら、人的、物的な支援を行っていく予定です。

ご支援を、よろしくお願いいたします。

  【予定】

○輪島市児童センター・もんぜん児童館の再開支援活動


参考リンク

令和6年 能登半島地震における児童館等支援活動について(随時更新) 児童健全育成推進財団

災害時こどもの居場所づくり こどもが安心できるスペース 2024.07.20 防災情報新聞