理事長ご挨拶
財団について理事長
鈴木 一光(スズキ カズミツ)
-
理事長あいさつ ー子どもは歴史の希望ー
人類史の中では、さまざまな感染症がパンデミックを引き起こし、多くの人の命を奪ってきました。新型コロナウイルス禍の渦中では、専門家の知見も錯綜し、救済の手からこぼれる人々の存在など、多くの課題が残りました。そのような状況にあって、児童館・放課後児童クラブ・地域組織活動(母親クラブ)のすべての方々が、それぞれに知恵を絞り創意工夫して難局を乗り切ったことに敬意を表します。
その時代をやっと通り過ぎたと思いましたら、令和6年5月5日に総務省は、15歳未満の子どもの数が43年連続で減少を続けて1,401万人だったと発表しました。少子化に歯止めがかからない現状が浮き彫りになると共に、総人口も当然に減り続けています。
幸い日本には、機械化や自動化など科学的に環境調整する力があり、またシニアの活躍や労働者と消費者の垣根をなくす取組などが始まっています。それら様々な努力をして、人口減少社会を乗り越えようとしています。
少子化の原因は複数あって特定できないようですが、進化生物学では、人類が進歩して豊かになり、長寿化し、結婚・出産、移動などの選択の自由が増した結果と言われています。この流れを見据えて人口全体を定常状態に保つためには、「縮減する社会」をマイナスにのみ捉えずに、今出来ること、特に、生まれてきた子どもを「誰一人取り残さない」ことです。
それには、子ども自身のセルフエスティーム(自己肯定感、自尊心) を大きく育むことです。このセルフエスティームが高ければ、困難に出会っても、何かにつまずいてもその経験を活かすことが出来るようになります。
ただし、セルフエスティームは自分ひとりで高めることはできず、幼少期、特に保護者との関係や地域社会の中で存在自体が認められている経験が大変重要になります。こうしたことの積み重ねが、子どもを誰一人取り残さないことに通じます。
私ども児童健全育成推進財団は、日々すべての子どもの幸せのために邁進されている「児童館」「放課後児童クラブ」「地域組織活動(母親クラブ)」の方々をしっかりと支援していきたいと思います。すべての子どもが健やかに成長できる社会の実現の一翼を担えますよう、一層研鑽を積んで事業を推進して参ります。
-
理事長あいさつ ー子どもは歴史の希望ー
令和5年4月1日、“こどもまんなか“をコンセプトに、こどもの幸福を遂行するための「こども家庭庁」が発足しました。わが国の深刻な少子化を背景に、国を挙げて子どもの福祉の増進を最優先に取り組む姿勢を内外に強く示した行政組織の改編だと考えられます。
子どもの幸せを保障するためには、大人たちが幸せでなければならず、そのためには国民の不断の努力と知恵と連帯を要します。その根底には、この国土で生き抜いてきた先人たちの文化を引き継いで研磨し、子どもたちに受け渡していかなければ、文化が消滅するという危機感があります。
ところが今、そのバトンを受け渡すべき子どもが少なくなっています。
昨年7月、国連の「将来人口推計2022」が公表されました。これによると、世界の人口は2086年をピークに減少に転じ、300年ほどでピーク時の100分の1に縮減します。一方、日本の総人口は世界に先駆けて減り続けて2100年には7,400万人に減少しますが、やがて世界が日本と同じ道をたどります。これは、人類が進歩して豊かになり、長寿化し、結婚・出産、移動などの選択の自由が増した結果のようです。この流れを見据えて人口全体を定常状態に保つためには、「縮減する社会」を受容して、今出来ること、子どもを「誰一人取り残さない」ことに、尽力していくしかありません。
さて、5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行しましたが、ウィルスが消滅したわけではありません。子どもの健康のために、感染症に対する緊張感も持続させなければなりません。
日夜すべての子どもの幸せのために邁進されている「児童館」「放課後児童クラブ」「地域組織活動(母親クラブ)」の方々をしっかりと支援できますよう、私ども財団も一層研鑽を積んで参ります。
職員数17名(2020年4月現在)