#じどうかんもあるよ(5) だれかと「ともに」届けるメッセージ
夏休み明けに生きづらさを抱える子どもたちへ向けたメッセージ「#じどうかんもあるよ」を8月25日(水)~9月16日(木)の期間に当財団Twitterで発信しています。本メッセージの発信は、厚生労働省が提唱する9月10日(金)~9月16日(木)の「自殺予防週間」に向けて、子どもたちの自殺予防の一助となることを目指しています。
子どもたちおよび関係各所にメッセージを届けるために、工夫を凝らしている児童館があります。その一部について取り組みを抜粋し紹介いたします。
◆地域と「ともに」にメッセージを(京都府京都市たかつかさ児童館)
京都市の児童館は新型コロナウイルス感染拡大を受けて、令和3年8月20日から臨時休館となっています。(令和3年9月10日現在、緊急事態宣言延長に伴い9月30日まで休館。放課後児童クラブの機能は継続中)
「じどうかんにおいで」とは言えず、来館を断らざるを得ない日々。普段、児童館を利用していた中高生たちはどうしていたのか。「例年以上に生活ペースや切り替えの難しさなど、心の揺らぎがあったのでは」と、京都市たかつかさ児童館の溝口館長は指摘します。
8月下旬当時、京都府は府立高校と附属中学校について部活などすべての教育活動を8月29日まで可能な限り停止するよう通知しており、始業日が遅れるなどの学校もありました。児童館の外にはよく見る利用者の姿もあり、「あかへんのー?」の声をかけてくる中高生もいました。
社会福祉士の免許をもち、「地域の人とともに子どもたちを支える」ソーシャルワークの観点を大切にする溝口さんは、日頃から関係性のある地域関係者や学校にアクションをはじめました。
地域の主任児童委員さんに賛同いただき、家の前にもポスターをはってもらいました。児童館だけでは子どもの声全てを拾うことは難しいです。なにかあったときに、地域の人「も」子どもたちを助けてくれます。子どもを支える組織のひとつとして、じどうかん「も」あると発信し、より広く関係者に知ってもらうことが大切だと思います。地域の人たちの「あたまの片隅」に残ったらと思います。
そのほか、中高生向けのお便り「児童館ニュース9月号」では「じどうかんもあるよ」のメッセージを載せて発信。施設は休館しているけれど、いつでも相談に乗るよというメッセージを中高生に届けました。
Instagramなどもやっていますが、肝心なところは結局、アナログな方法だなと思います。地域の中学校にお願いに出向いたら、チラシ配布について快く快諾いただきました。毎月中学校に行って、ポスター貼りや管理職の先生との情報交換を地道に積み上げていったことが、今回の対応に生きたように思います。
「臨時休館前日、8月19日に来館していた子どもたちを見ていて感じたことがあります。それは児童館がもつ【場所】としての価値です。」溝口さんは語ります。
友だちとの待ち合わせ【場所】として利用する子、文化祭のダンス練習【場所】を探してやって来た子、とりあえず学校の荷物を置く【場所】としてすぐに館の外に出ていく子など、児童館の中で遊ぶこともあるけれど、それ以外の一人ひとり好きな方法で、児童館を活用していることに気づきました。どんな【場所】かは、子どもたち自身が決める!のだと思います。今は臨時休館で難しいですが、遊ぶ目的があってもなくても、とりあえずふらっと立ち寄れる、そんな児童館でありたいなと思います。
◆京都府京都市たかつかさ児童館HP
http://www.kyo-yancha.ne.jp/takatsu/
◆子どもたちと「ともに」メッセージを(東京都八王子市)
連日感染者数が多いなか、「じどうかんもあるよ」と発信する難しさがある一方で、本当に「しんどい子」のためには、家でも学校でもない、第三の場所が必要です。東京都八王子市立南大谷児童館の河村館長は、以下のように語ります。
児童館は、子どもの直面している福祉的な課題に対応できるよう、子どもが自由に時間を過ごし、遊び、居場所とすることを大切にしています。特に中学生・高校生年齢の場合、小学生からずっと来ている子たちが「生活の一部」として児童館を利用しているケースがあります。切れ目のない継続的な居場所としての価値を感じています。(河村さん)
八王子市の児童館は昨年4月以降、YouTubeでの児童館情報発信を続けてきました。河村さんは「じどうかんもあるよのメッセージに重ねて、児童館を居場所とする子どもたちとともにメッセージを発信できないか」と思い立ち、同じく八王子市にある八王子市立館ヶ丘児童館の協力を経て、このたび「じどうかんもあるよ」動画を作成されました。
動画の配信について、ゆくゆくは、子どもたち自身が撮影して、主体的に発信できる機会にしたいと考えていました。最初はもともと用意していた、シャボン玉の遊び方紹介だけの予定だったんです。ですが、このメッセージは、児童館をよく利用する子どもたちと「ともに」挑戦しやすいテーマなのではと思い立ち、一緒に作ることにしました。撮影に協力してくれた児童館職員と子どもたちの間に、深い信頼関係ができていたことも大きかったと思います。(河村さん)
参加した中高生たちにとっても、日々当たり前に利用している児童館に自分がどんな想いをもっているのか、考える機会になったようです。撮影をコーディネートした八王子市立館ヶ丘児童館の中島館長は以下のように語ります。
「じどうかんもあるよ」の趣旨を子どもたちに伝え、動画の話をしたところ、快くOKをくれました。大人が考えるよりも子どもたちのほうが柔軟で、素敵なメッセージになったのではと思います。「メッセージカードを作成している様子」を自作動画にまとめて持ってきた高校生もいました。「そこまでやるか!」と、想像を超えるアクションに驚くとともに、心意気をうれしく思いました。(中島さん)
動画を河村さんとともに担当し、この度の動画撮影を担った児童厚生員、辻さん(児童館職員歴6年目、館ヶ丘児童館2年目)は、撮影に際し、「どんな参加の仕方でもいいんだよ」と、利用者に声をかけたそうです。
やらない」と言われても、児童館を大事な場所と思ってくれていて、「なにか協力したい」という気持ちを持ってくれている子もいるのだなと感じました。背中のみで映るのはどうか?台本や編集の相談ならどうか?と提案していくと、それならば、と協力してくれる子たちがいました。完成した動画を観て、「次は編集やってみたい」と言ってくる子もいました。忙しい中、児童館にやってくる中学生・高校生たちの「やりたい」と思っていることを、これからも形に出来たらと思います。(辻さん)
市街地から程よく離れた団地に位置し、広い館庭や安心できる職員がいる館ヶ丘児童館には、日頃より小学校のころから利用してきた中学生や高校生が、友だちを連れて来館されるそうです。
コロナ禍になっても児童館は必要とされ、中学生・高校生の利用は変わらない状況があります。児童館には本当に色々な子が居場所にしています。漫画を読む、一人で遊ぶ、児童厚生員と遊ぶ、などなど。その中で一人一人に合ったサポートを大切にし、つらさやしんどい思いがあったときには話しを聴き、力になれる場所でありたいと思います。(中島さん)
◆八王子市立児童館HP(八王子市子育て応援サイト)
https://kosodate.city.hachioji.tokyo.jp/scene/kodomonoibasho/jidoukan/1759.html
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※Twitterについては、アカウントが無くても以下リンクで簡易閲覧できます。
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おねがい
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「じどうかんもあるよ」の取り組みについて、全国各地の取り組みをぜひご紹介したく存じます。
児童館関係者の方で、自身の施設で取り組んでいることがあれば、どんな些細なことでも結構ですので、写真とともにご提供頂けますと幸いです。「子どもからのメッセージ」 も随時募集しております。
提供先:児童健全育成推進財団 「じどうかんもあるよ」担当
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