児童館とは?

「児童館」とは、健全な遊びを通して、子どもの生活の安定と子どもの能力の発達を援助していく拠点施設です。

児童館の歴史

日本における児童館的な活動は、古くはセツルメントの児童クラブにその原型をみることができます。セツルメントは明治末期に始まり、大正、昭和にかけて主として大都市に発展しました。その中でさまざまな状況にある子どもたちに遊びをとおして集団的、個別的に指導を行っていました。
昭和23年に児童福祉法が施行され、児童館は法律に位置づけられるに伴って、地域における子どもの余暇活動の拠点として、不特定多数の地域の子どもたちに対して、健全な遊びを提供し、健全育成活動を行う場として社会的に認知されるようになっていきました。
昭和26年には「児童厚生施設運営要領」が厚生省(現:厚生労働省)児童局によって編さんされ、児童館運営についての基本方針が提案されました。
児童館の発展において画期的な要因となったのは、昭和38年度において市町村立の児童館について、その設備及び運営費に対し奨励的な見地から国庫補助制度が創設されたことにあります。国庫補助対象については、設置及び経営主体、機能、設備、職員配置などについて基準が示され、以後に設置される児童館の水準に影響をあたえました。
現在では、全国に約4,600(平成27年)を数える施設数となり、児童福祉施設としては保育所に次いで多い施設となっています。

児童館の役割

児童館は、児童福祉法第40条による児童福祉施設です。屋内型の児童厚生施設(他に屋外型の児童遊園あり)であり、子どもに健全な遊びを提供して、その心身の健康を増進し情操を豊かにすることを目的としています。

児童館は、子どもたちに遊びを保障します。遊びは、子どもの人格的発達を促す上で欠かすことのできない要素であり、遊びのもつ教育効果は他で補うことができないと言われています。子どもたちは遊びを通して考え、決断し、行動し、責任をもつという自主性・社会性・創造性を身につけます。換言すれば、教育の中でも注目されている「自立」の要素が、遊びの要素に含まれているのです。

児童館は、子ども一人ひとりの状態を観察し、個々のペースに応じて自立していくことができるよう、専門職員(児童厚生員)が支援します。

また、子どもの生活が安定する環境が整備されるためには大人の理解と協力が不可欠であり、親のグループやジュニアボランティアを育成するとともに、諸機関や団体との連携を図る中で、子どもや子育てにやさしい総合的な福祉の町づくりを目指します。

子育て家庭の子どもたちが安定した放課後を過ごせるように、登録制で毎日学校から直接来館する放課後児童クラブや、育児不安に陥りがちな子育て中の母親を支援する午前中の幼児クラブ活動などは、親への支援活動ともなっています。

また、不登校やいじめへの対応、虐待など深刻な問題の早期発見の場としても期待されるなど、家庭や学校、児童相談所と連携し、子どもを支援する活動も増加しています。

「遊びの施設」として根づいてきた児童館は、いま、子どもの最善の利益を保障する地域福祉活動の拠点施設として、福祉的機能を発揮するよう求められています。

児童館の種別と機能

児童館の種別と機能については、厚生労働事務次官、雇用均等・児童家庭局長通知によって、示されています。また、「児童館ガイドライン」に準じて運営されています。

(1)小型児童館
小型児童館は、小地域を対象として、児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、情操を豊かにするとともに、母親クラブ、子ども会等地域組織活動の育成助長を図る等児童の健全育成に関する総合的な機能を有する施設です。

(2)児童センター
児童センターは、小型児童館の機能に加えて、遊び(運動を主とする)を通じての体力増進を図ることを目的とする事業・設備のある施設です。
また、大型児童センターでは、中学生、高校生等の年長児童に対しての育成支援をおこなっています。

(3)大型児童館
大型児童館は、原則として、都道府県内や広域の子どもたちを対象とした活動をおこなっています。特に3つに区分されています。

  1. A型児童館
    都道府県内の小型児童館、児童センターの指導や連絡調整等の役割を果たしています。
  2. B型児童館
    豊かな自然環境に恵まれた地域内に設置され、子どもが宿泊をしながら、自然を生かした遊びを通じた健全育成活動を行っています。そのため、宿泊施設と野外活動設備があります。
  3. C型児童館 →現在は存在しません
    児童館全ての機能に加えて、芸術、体育、科学等の総合的な活動ができるように、劇場、ギャラリー、屋内プール、コンピュータープレールーム、宿泊研修室、児童遊園等が付設され、子どもたちの多様なニーズにこたえています。

資料・データ等

全国児童館実態調査(育成財団調査)
社会福祉施設等調査(厚生労働省調査)
児童館ガイドライン(厚生労働省)
どこにあるの?児童館(育成財団運営「コドモネクスト」)